第5章-本当の自分「らしさ」とは。安心感がある、職場に出会った

アビリティスタッフィング
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手帳を手にした瀬川さんは「障がい者雇用枠」で採用された2つの職場を経て「アビリティスタッフィング」の就業支援サポートへ。ここで事務系の業務の経験を積んだ後、縁あって入社したのがいま籍を置く会社だ。
「幸い、職場は病気に対する先入観や偏見がなく、おおらかに見守ってもらっている安心感があります」とにっこり。「ここで病気とうまく折り合いをつけながら、周りの人が仕事に集中できるように、僕なりに全力でバックアップしていきたいですね」と、「居場所」に出合えた喜びを語る。
「以前は迷ったり悩んだりしたとき、常に外側、つまり他者に答えを求めていたのですが、この頃はまず自分の内側に問いかけるようになりました。いままで自分らしさだと思っていたものは、他人ありきの自分だった。いまは自己完結しているイメージ。気持ちがとても楽になりました」
「考える時間だけはたっぷりありましたからね」と振り返る瀬川さん。ときに立ち止まりながらもその時できることに精一杯取り組んできた20年間は、本当の「らしさ」を探す道のりだったのかもしれない。

同好の士と海に出て楽しむ釣りは最高

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うつ症状が最もひどい頃は、好きな釣りもスポーツもまったくやる気が起きなかった。比較的安定しているいまは、釣りに出かけたり家でスポーツ中継を見たりして休日を過ごしている。
家の近所に池があり、釣り歴は小学生の頃から。愛用している竿は20年、リールは10年と、いずれも年季もの。ていねいにメンテナンスをして使い続けている。職場や地域の釣り仲間と船を貸し切って、東京湾に出ることもあるそうだ。「たまたま、いまの職場関係には釣り好きが多いんです。会話も盛り上がります」
サッカー観戦も大好きな趣味のひとつ。スペインのクラブチーム「FCバルセロナ」のファンで、2005年からチームユニフォームを集め続けている。「年に2、3種類新しいものが出るので、かれこれ50枚くらい。タンスのなかが大変なことになっています(笑)」