利用者の声一覧 統合失調症 case03
病気をサポートしてくれたのは、家族です。障害者手帳は両親が申請しました。 最初は“障がい者”という括りになることがショックでしたが、障害者手帳を持っていれば就職がすぐ決まるとも思っていました。
病気も落ち着き就職活動をはじめた頃は、病気をオープンにして働くことと、クローズにして働くことについてこだわりはなく、良いなと思う仕事があればそこに就職しようと思っていました。私は障がい者の自覚があまりなかったので、他の障がい者の人よりも仕事ができると思っていたのですが、現実は自分の想像と違っていました。紹介会社の人に「卒業したら学歴は関係ないんだよ。職歴をもたなきゃ。」と言われて以来、働かなければという焦りが強くなって……。実務経験が少なかったので、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の資格をとりましたが、なかなか採用につながりませんでした。
就職フェスタの障がい者採用のグループ面接に参加したこともあります。でも書類選考や一時面接で受からず、よくよく調べてみたら精神障がい者を雇用した実績がないということがわかりました。知的障がい者の採用はあるのに、なぜ精神障がい者では雇ってもらえないのだろうという思いは強かったです。
結局、病気をクローズにして短期の仕事が決まったのですが、実際働いてみて、はじめて自分は病気をもっているという現実に直面しました。教えられた簡単な作業ができず、なんでこんなことすらできないんだろうと悔しい思いをし、仕事中に泣いてしまうこともありました。それに加え、薬をどうやって飲むかが最大の悩みでした。こっそり隠れて薬を飲んでいたものの、次第に周りの目が気になりそれがストレスになりました。結局、その会社は満期終了ということで辞めることになりました。
その頃から病気をオープンにして働くか、クローズにして働くか悩むようになりました。オープンにしても精神障がい者の募集がなく、クローズにしても環境があわず長く続けることが難しい。答えがでない中、両方で就職活動を再開しました。