5章-うつ病のステージごとに考える、働き続ける方法(5/8)

第5話 Ⅲステージ 職場環境調整期

いよいよ「うつ病」の転職活動期になります。このフェーズから具体的な社会復帰活動期になります。
「うつ病」をオープンにするか、クローズにするかによって、活動の内容も異なってきます。「うつ病」の回復をどの程度までもってくるかの違いになります。

クローズにする場合、基本的に就業規則に則り、就労することが求められます。ですから、職務遂行能力(仕事をする力)は、一般的な就労者のレベルまで回復していることが望まれています。しかし、前述したように単純な医療機関等のリハビリだけではそのレベルまで回復させるのはなかなか難しいかと思います。そこで、短時間の仕事やボランティア活動など、社会的活動(有償・無償は問わず)をなんらかの形で試すことは有効な手段であると思います。ちなみに、クローズにする場合、転職は通常の転職と同じですが、前職を退職した経緯に関しては工夫が必要になることになります。
一方、オープンで障がい者として働く場合には、このフェーズまでには障害者認定を取ることになるのが普通かと思います。障害者認定を取ったら、ハローワークや民間の就職情報サービスなどを活用して、企業の求人に応募することになります。その際に、精神障がいはまだまだ世の中の偏見が多いことを織り込んでおきましょう。書類審査ではかなりの件数を応募しても通らない場合が普通かと思います。一喜一憂していても、前には進めません。数多く当たることが重要だと思います。

以下にⅣステージに移る前のチェックリストを並べてみました。


  • 就労に対する意欲が焦りではなく、安定的にある
  • うつ病の発病原因を振り返り整理できている
  • うつ病の発病原因を回避する方法を検討している
  • 医療機関、ハローワーク、民間就職支援サービスなど幅広く情報を収集している
  • 応募する企業の情報収集をしている
  • 自分の長所をアピールできる
  • 自分のできることとできないことを整理して説明できる
  • 抗うつ薬の服薬など、再発防止のための治療を継続している
  • 応募する企業の面接を冷静に対応できる
  • 就職する職場が決まった

如何でしょうか。9項目以上の○が付くようになったら、実際の就労になります。
次のⅣフェーズは「うつ病」をオープンにして活動した場合のステップになります。ですから、クローズで転職をする際には、次のⅣフェーズのチェックリストが凡そクリアできていないとなりません。あわせてチェックをしてみてください。