4章-うつ病と付き合いながら、社会復帰するポイント(1/7)

アビリティスタッフィング

第1話 「うつ病」社会復帰する前に考えること

この章からは具体的に、「うつ病」を抱えながら、社会へ復帰するにはどのように進めたらいいかを、一緒に考えて行きたいと思います。

まず、「うつ病」を抱えながらの転職は、とてもハードルが高い作業です。金銭面や家族や周囲の目などもあり、一刻も早く社会に復帰したいと焦る気持ちは当然ですが、まずはしっかりリハビリをすることが本当に大切です。
「うつ病」は心の風邪などという言葉が一時期随分使われましたが、最近では風邪どころではない、肺炎だ・骨折だなどという言葉に変わりつつあります。どのような言葉でもいいですが、「うつ病」はリハビリが絶対に必要な病気です。つまり、風邪のように、薬を飲んでしばらくすればすぐに治る病気ではありません。意識的にリハビリをすることが必要です。ちょうど肩を壊したプロ野球の投手が、最初はボールを握ることから、キャッチボール、遠投、ブルペンでの投球練習、実践形式の練習、2軍での登板、そして、球数限定の1軍での登板というようにリハビリをします。それと同じだと私は思います。

「うつ病」になったら、退職などの重要事項はしてはいけないと本には必ず書いてあります。当初、これは「うつ病」になると判断力が鈍るので、社会復帰の決定は、回復してからにしましょうという意味だと私は解釈していました。もちろん、そのような側面はあると思いますが、裏には「うつ病」になってからの社会復帰は大変難しいという現実があることも要因の一つではないかと思います。とは言うものの、私のように仕事そのものが「うつ病」の原因で、しかも職場に戻るに戻れない場合には、退職も仕方がないと思います。

この社会復帰へのゴールは何かもう一度考えてみる必要があると思います。私は少なくとも内定をとることをゴールにすべきでは無いと考えます。社会復帰の成功談は、内定をとり働き始めるところで終わってしまってはいないでしょうか。「うつ病」になるほど頑張った人は、責任感があり、我慢強いですし、仕事熱心な方々でしょう。当然、仕事のキャリアもそれなりに積んでいるかと思います。そんな方が、ある程度条件を妥協すれば内定をとることは、さほど難しいことではないでしょう。しかし、社会復帰をして再発をさせないようにしながら仕事を長く続けられるかは、全く次元の違う話になります。そこで、問題になるのは「うつ病」を社会復帰の際に開示(オープン)にするか、秘密(クローズ)にするかという問題です。
「うつ病」は病気としては社会的に認知されましたが、転職市場においてオープンにしてハンディーキャップが無い病気ではありません。近年のうつ病患者の急増にともなって、ある程度の規模の会社でしたら、何人かはメンタル不調で仕事を休んでいたりします。企業の人事部はそのような社員を見ていますから、新規採用では「うつ病」の人を控えるでしょう。残念ながらそれが現実だと思います。
また、クローズにしないと自分の経験を活かす仕事には、まず就けないのではないでしょうか。障害をオープンにするということは、ご自身のキャリアを棒にふることになりますし、年収も大幅に下がることも想定しなければならないでしょう。

このように考えると、「内定」のみを社会復帰のゴールとし、可能である(クローズにして働き続けられる)ならば、「うつ病」はクローズにして社会復帰することが自然であると思います。
それでは、「うつ病」をクローズにして、社会復帰をする場合どのような条件が必要になってくるのでしょうか。そして、私はなぜ最終的には「うつ病」をオープンにして社会復帰したのでしょうか。

私なりの考えを次からお話ししたいと思います。

アビスタポイント

アビリティスタッフィングでは、障がいをオープンにし、自分に合った働き方をしながら長く働き続けられることを提唱しています。 しかし、障がいを受け入れ、しかもそれを他人に開示するということは、とてもハードルの高いことであるのも事実です。 4章では、オープンとクローズ両方のメリット、デメリットを体験者ならではのフラットな目線で書いてくださいました。