0章-私の体験記を読んでくださる、皆さまへ
退院から2ヶ月を過ぎた2007年の初夏、同志だった彼から電話があった。
「そろそろ戻れないか?当面は俺のフォローをしてくれればいいから・・・」
「・・・・」
「退院もしたし、もう7ヶ月も休んでいるから、働いているより休んでいるほうが多いんじゃない?」
「もう戻れないよ。お客さんが怖いんだ」
「あんなにどんな苦労も一緒に頑張っていこうって言ったじゃないか。本当にまずは俺のコンサル案件の分析とかをしてくれればいいから。困っているんだ本当に」
私がうつ病で休職をして7ヶ月、二人で始めた小さなこのオフィスは大波にのまれていた。
「申し訳ない。もう俺ダメなんだ。あの仕事はできないよ・・・」
「そうか・・・・。分かった。それなら依願退職ってことでいい?社長にはそういっておくから」
翌日、私は辞表を出しました。そこから、私の新たな戦いの日々が始まりました。うつ病 + 無職 + 扶養家族あり + ローン持ち という厳しい現実が待っていました。
今後、以下のような内容の話を少しずつさせてもらいます。書きながらお話する内容が変わることもあると思いますが、どうぞお付き合いください。
1章 うつ病になってしまった
2章 精神障がい者としての就活
3章 うつ病とともにこんな仕事をしてきた
4章 うつ病からの社会復帰
5章 うつ病からのリワークモデルに照らし合わせ戦略的に就活をしよう
6章 うつ病を抱えながら働き続けるヒント
はじめにの終わりに、うつ病を患っている方に、最初のメッセージを送りたいと思います。皆さん、本当に不安でいろいろ考えてしまうと思います。私も本当に不安で毎日泣いてばかりいました。 時には絶望感に打ちひしがれることもあると思います。本当に辛いですよね。でも、皆さんは一人ではありません。ご家族やご友人、その他みなさんの周りには皆さんが元気になる ことを応援する人々がいます。その人たちの支えがあればきっとまた元気に立ち上がれると心から思います。自分にとって何が大切か。何を守らなければならないか。このことを突き詰めていくと必ず皆さんなりの 答えが見えてくると思います。人生は続きがあります。よろしくお願いします。
鈴木 晃博
この体験記は私がうつ病を発症し、うつ病を抱えながら如何にして転職をし、今の会社で就労を続けているかについて実体験を基に書いたものです。私の5年に及ぶ戦いを赤裸々に皆さんに報告をしていきたいと思っています。
このページを開いてくれた皆さんは、うつ病を患っている人であったり、うつ病を患った人のご家族やご友人であったり、医療関係や社会復帰支援をされている人かでしょうか。このHPでこれから、精神障がい者として転職活動を行い、 現在も障がい者雇用枠で就労している私から、「うつ病」を抱えても転職はできることをお話ししたいと思います。ここで、一つお断りをしておきたいと思います。あなたが「うつ病」を現在患っている人であったら、希死念慮(死にたいと思う気持ち) が無くなる程度まで回復していないのなら、これからの記事は読まないほうがいいです。「うつ病」は自信の無くなる病気です。今の日本では、「うつ病」を抱えながらの転職はとてもハードルが高い作業です。十分に回復していなければ、 それこそ行く先が不安になり症状が悪化してしまいます。まずは、社会復帰ができるぐらいまで十分に回復することを目標に治療に集中してください。