第2章-昼夜逆転の生活が続く。激務に心も身体も疲弊して…
高校時代は陸上部の部長として部員をまとめ、大学時代はプラズマ物理学の研究に没頭。社会人になってからは、平日は仕事に集中し、週末はたくさんの友人とスポーツや釣りに興じていた。
そうしてアクティブに活動していた瀬川さんが、心身の不調に悩むようになったのは、食品工場で生産マネジメントを担当していた頃だ。
「とにかく激務でした」と瀬川さん。聞けば、出社は昼頃だったが、夕方から夜間にかけての管理業務を一人で任され、朝5、6時に帰宅するのがふつうだったという。工場にいる間は食事をとる余裕もなく、家に帰れば倒れ込むように布団へ。気づいたら体重は20kgも落ちていた。
さらにこの頃、追い打ちをかけるように過酷な出来事が重なり、瀬川さんは会社に行けなくなってしまった。
「体に力が入らず、会社からの電話に出ることもできない。お風呂に入るとか、歯を磨くとかのそれまで当たり前にやっていたことも、ものすごく億劫になってしまったんです」
やむなく退職。辛さに耐えかね切羽詰まって精神科の扉をたたいたところ、「うつ病」と診断された。