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「うつ病」就職体験記 「うつ病」就職体験記

第5章 うつからのリワークモデルに照らし合わせて戦略的に活動しよう( 6 / 8 )

第6話 Ⅳステージ ならし就労期

社会復帰が決まりました。新しい職場での再出発です。このステージは基本的にオープンにしたときのみにあるステージだと考えてください。前述しましたが、「うつ病」をクローズにするということは、最初から就業規則に則った時間を働き、キャリアに見合った成果を求められるものです。ですから、始めはゆっくり環境に慣れることからというわけにはなりません。このフェーズのチェックリストも概ねクリアできるほど回復していると考えなければなりません。

さて、ならし就労はあくまで職場との個別の就労条件の調整の結果の就労の仕方になります。就労者の立場からみれば、「うつ病」をオープンにして一定の配慮をしてもらうことですし、企業としては少し長いスパンで就労者を見極めようとしているいわば「お試し」期間であるといえます。

それでは、どのような配慮をしてもらうのがよいのでしょうか。これは就労者の個人差が大きいため一概に言えませんが、私が受けた配慮が参考になると思います。

  • ① 就労時間を段階的に延ばす
    「うつ病」から復帰してからの1ヶ月は本当に疲れます。休息で体力が落ちていますし、毎日、満員電車にのって職場にいくことも大変ハードルが高いことです。とにかく、体の疲労をケアすることが、心のケアに直結します。
  • ② 仕事の質を考慮してもらう
    「うつ病」から復帰した当初は、病前に当たり前にできていた仕事ができなくなっているケースが多いと思います。比較的定型的(簡単なデータ入力や書類の仕分け作業など)で安定的(毎日やる仕事が変わるということがない)な業務を引き受けましょう。その際に気を付けることは、いたずらに病前の仕事と比較することは止めましょう。病前の仕事に比べて、簡易的な作業をしていることでプライドや自己肯定感に傷がつきます。今、やれることをやれる分だけやるという思考が大切です。
  • ③ 調子の波があることを理解してもらい、急な休暇もある程度考慮してもらう
    「うつ病」は前触れなく調子が悪くなる病気です。調子が悪い時に無理をして出勤をすると生産性が悪く落ち込みますし、それを取り返そうとして無理をすると更に体調が悪くなる悪循環になります。もちろん、ちょっと調子が悪いくらいで休んでばかりいると安定的な就労に繋がりませんから、ある程度頑張る必要はありますが、焦って無理をして出勤し続けることは再発の危険を高めます。ギリギリになる前に休むことも仕事の内と考えて、職場の理解を得て休めるようにしましょう。もちろん、現在の体調がどのような様子で、どのくらい休みたいということをしっかり職場に連絡をして了解を得ることは必要です。職場との信頼関係を壊さないように適切なコミュニケーションをすることが必要です。

画像: Ⅳステージ ならし就労期

上記の内容が主なものですが、定期的な面談(上司・人事)をしてもらい、仕事の内容、勤務上の不安、どのような配慮がほしいか、職場の期待などを話し合える機会を作ってもらうことは、就労に対する不安感を和らげることに繋がると思います。

以下にⅤステージに移る前のチェックリストを並べてみました。

  • 決められた時間の就労に集中して取り組める
  • 調子の悪いとき、上司や同僚に状況を説明し、十分な休息をとることができる
  • うつ病の再発防止策を実践している
  • 主治医と今後の治療計画を相談でき、それを守ることができる
  • うつ病の前兆を察知して適切に対処できる
  • 自分の人生観で「うつ病になったこと」を成長の糧となったと受け止められる
  • うつ病になりやすい価値観・ライフスタイルを見直すことができる
  • 職場での課題を上司、同僚と共有でき問題解決のための行動ができる
  • 友人や同僚と自分を比較して、必要以上に落ち込まない
  • 現在の生活を充実していると実感できる
 

如何でしょうか。6項目以上の○が付くようになったら、実際の本格的な就労になります。経験からいうと、Ⅳステージの期間は概ね3~6ヶ月を目安にしたいです。それより短いと無理がでますし、それ以上長いとなかなか職場に馴染めません。同僚から腫れ物にさわるような扱いを受ける環境は決していい就労環境ではないからです。