5章-うつ病のステージごとに考える、働き続ける方法(8/8)
第8話 うつ病 セルフチェック
以下に、Iステージ~IVステージについて、各ステージ毎に現状を見つめなおすためのうつ病セルフチェックを掲載します。
Iステージ(治療専念期) チェックリスト
以下のうつ病セルフチェックを参考に該当の項目が8個以下なら、とにかく治療に専念してください。先のことは調子が良くなるまで保留にしておきましょう。
- 自分が信頼できる主治医がいる
- 薬の処方が2週間以上変わらず安定している
- 夜の睡眠が十分取れ、午前中から活動できる
- 日記などの活動記録をつけることができる
- 頭痛やめまいなど身体の不調がない
- 新聞や雑誌など活字を読むことが億劫ではない
- 入浴、歯磨き、洗顔などの身の回りのことをするのが苦ではない
- 食事をとることができ、体重が安定している
- パソコンやテレビの画面を抵抗なく見ることができる
- 職場からの電話に少し疲れながらも対応ができる(退職してない場合)
如何でしょうか。8項目以上の○が付かない場合は本当に辛い日々をお過ごしのことと思います。このときの自分を思い起こすと、希望を持てない日々でした。一日一日をどれだけ安定的に過ごせるかの一点に着目して療養に専念しましょう。
Ⅱステージ(リハビリ期) チェックリスト
Ⅲステージに移る前のうつ病セルフチェックを並べてみました。
- 1ヶ月以上身体的不調が無い状態が続いている
- 眠気など抗うつ薬の副作用も感じず、飲み忘れることもない
- 自分の体調を客観的に把握していて、調子が悪い時自ら休息できる
- 自分の好きなこと(趣味など)が楽しいと感じる
- 新聞や雑誌などを読んだとき、内容がスムーズに頭に入る
- 満員電車や人込みが苦痛ではない
- 食事を規則正しい時間においしく食べられる
- 仕事に関連するニュースなどを見ても気持ちが沈まない
- 毎朝、規則正しく、決められた時間に起きることができる
- 家族、主治医以外の人と仕事に関する話をしても苦痛ではない
如何でしょうか。9項目以上の○が付くようになったらいよいよ社会復帰(転職活動)の時期になります。8個以下でしたら、まだまだリハビリが足りません。時期尚早と思っていいと思います。
Ⅲステージ(職場環境調整期) チェックリスト
Ⅳステージに移る前のうつ病セルフチェックを並べてみました。
- 就労に対する意欲が焦りではなく、安定的にある
- うつ病の発病原因を振り返り整理できている
- うつ病の発病原因を回避する方法を検討している
- 医療機関、ハローワーク、民間就職支援サービスなど幅広く情報を収集している
- 応募する企業の情報収集をしている
- 自分の長所をアピールできる
- 自分のできることとできないことを整理して説明できる
- 抗うつ薬の服薬など、再発防止のための治療を継続している
- 応募する企業の面接を冷静に対応できる
- 就職する職場が決まった
如何でしょうか。9項目以上の○が付くようになったら、実際の就労になります。
Ⅳステージ(ならし就労期) チェックリスト
以下にⅤステージ(再発予防期)に移る前のうつ病セルフチェックを並べてみました。
- 決められた時間の就労に集中して取り組める
- 調子の悪いとき、上司や同僚に状況を説明し、十分な休息をとることができる
- うつ病の再発防止策を実践している
- 主治医と今後の治療計画を相談でき、それを守ることができる
- うつ病の前兆を察知して適切に対処できる
- 自分の人生観で「うつ病になったこと」を成長の糧となったと受け止められる
- うつ病になりやすい価値観・ライフスタイルを見直すことができる
- 職場での課題を上司、同僚と共有でき問題解決のための行動ができる
- 友人や同僚と自分を比較して、必要以上に落ち込まない
- 現在の生活を充実していると実感できる
如何でしょうか。6項目以上の○が付くようになったら、実際の本格的な就労になります。経験からいうと、Ⅳステージの期間は概ね3~6ヶ月を目安にしたいです。それより短いと無理がでますし、それ以上長いとなかなか職場に馴染めません。